歳を重ねる中で、時を過ごす中で、日々の積み重ねの中で、知っていることが増え、わかることが増え、できることが増え、感じることが増え、生きてきた。
28歳、ふつうに出来ていたことがどんどん出来なくなってきていて、わからないこともどんどん増えてきている。くつろいでいる時間もゆっくりしている時間も何もなく、ずっと働いているのに、何も仕事が終わらなく、まともな成果にもつながらず、ずっと謝っている。
かなしいことも多いが、その分、からだの真ん中にある見えない器みたいなものが、ぐにゃりぐにゃりと広がって、留めておけるものが増えたように思う。27歳は、穏やかな風や柔らかな光のようになれたらいいと思っていたけれど、あんまり風や光のような感じはしない。むしろ、水。水のたまった場所のような感覚がある。
28歳、久しぶりにカメラを買った。写真を撮ることが好きであったことを思い出せて、とてもうれしい。
28歳、初めて自分でちゃんとサイトを作りきれた。もちろん、ひとりだけで作ったわけではないが、キラキラしたサイトにしたいと願って作ったサイトがとっておきのキラキラに仕上がってとにかくうれしい。

森の映画祭2024 公式サイト。TOPページもだけど、森の映画祭のことのページと上映作品のページもキラキラの水面が映るよ
28歳、変わらずたくさんの漫画を読んだ。26歳は『乱と灰色の世界』を、27歳は『圕の大魔術師』をピックしたが、今年は何だろうなあ。案外『ダンジョン飯』かなあ。もしくは、『プロジェクト発酵記』かもしれない。あとは直近だと漫画ではないが書籍『コミティア魂』を読んだ、かなりよかった。
『プロジェクト発酵記』は香山哲さんが現在連載中の『レタイトナイト』をつくるまでに、どうやって漫画を連載しようとするのか、という、ある意味制作背景漫画なのだが、あらゆるプロジェクトでも大事になるような一種のノウハウ本でもあるような……ここまでを書いて、力尽き、秋を迎えた。
誕生日を綴っている記録としては、半年も後に公開してもいいのか、いささか疑問だが、「……」以前の部分は編集を入れず、そのまま出すのであれば、「……」以前の部分には28歳になったばかりの私に近い部分が残っているはずだから良いとしよう。
ここから先は、28歳というより、28.5歳……正確には28.6歳の私から29歳に向けての残り0.4歳分の願いになってくるが、まあ、0.6歳の間も同じようなことを考えてきた気がする。たまってきた水がよどんでいかないように過ごしたい。
水はいつだって透明で揺らめいてきれいな水面を写すようで、案外すぐに腐るし、濁るし、不純物が底にたまるし、藻も映えて、ボウフラも生まれる。光や風を目指せるほど軽やかに過ごせていないからこそ、この水をよどませたくない。
それでは、また、29歳に。


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